新型コロナウイルス感染症の第一波のピークを超えたというニュースを最近よく耳にします。緊急事態宣言の解除が次々となされていますが、不安の声は私の身近なところで絶えることはありません。
感染拡大を抑えながら経済へのマイナスの影響を最小限に食い留めること、それが今の課題と言えますが、この2つの両立は容易ではありません。
あちらを立てれば、こちらが成り立たない…
私たちの暮らしにおいてもきっと同じことが言えますよね。
同時並行に物事を考えることってとても重要だと思います。ですが、それは平常時の話であって、緊急時においては何を優先すべきか、これが必要な考え方になるのかも知れません。
人命は何よりも優先する…
色んなことを考えると初動対応が遅れる、そして時間だけが過ぎていく、それが今回のパンデミックで浮き彫りになったと思います。
二兎追う者は一兎をも得ず…
これは先人たちが残してくれた教訓の言葉になりますが、何事も順序というのは大切だということを改めて実感しました。
命あっての暮らし…
命あっての仕事…
命あっての経済…
私たちは自らを守るために外出自粛を行い、それが感染拡大防止へと繋がり、今の現状を生んでいます。
そして忘れてはならないのは、自らの感染リスクを顧みず治療や看護にあたっている医療従事者の皆様の存在です。
私たちの命を救ってくれてありがとう…
当たり前に思えたことに対して感謝を忘れかけていた自分に気付かされます。きっとそれは私だけではないと思います。
店を開けてお客様が来るのが当たり前…
海外の旅行客が来てくれるのが当たり前…
病院に行けば診療してもらえるのが当たり前…
当たり前に思えたことが突然嘆きへと変わる、これは私自身の心の声、そして私の身近な人たちから発せられる声です。
安全、安心、安定を好み、変化を嫌うというのがこれまでの日本社会には根強く存在します。
そこで突然の変化に躊躇し、これまで経験したことのない出来事に戸惑います。
しかしながら、世の中というのは仏教の言葉にもあるように「諸行無常」、とどまることなく絶えず変化し続けています。
ゆく川の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず…
歌人で名高い鴨長明の方丈記の中でも同じことが描かれていますよね。
過去の歴史を学ぶと、変化というのは絶え間なく起きていて、そこから色んなことを学ぶことができます。
対岸の火事…
2002年11月に中国で発症したSARS(重症急性呼吸器症候群)のときに他人事(対岸の火事)ではなく、もっと真剣に向き合っていたら状況は変わっていたかも知れません。
当時(2002年)の訪日の旅行客は523万人、そして昨年2019年には3,188万人と約6倍に増え続け、そこで感染が生じた場合にどのような対策を講じるのか、過去の教訓を活かせば前もっての準備ができたはずです。
結果論になりますが…
一方で、台湾は過去の失敗を教訓とし、新型コロナウイルスの封じ込めに成功しています。そこに違いが生じているように思えます。
そこから学べることはたくさんあると思います。
今は苦しい時期ですが、状況は留まることはない、そして元に戻るという発想は持つべきでない、そのように感じます。
今回のパンデミックにより、私たちの生活感、仕事感というのを大きく変わると思います。というか変える必要がありますよね。
多くの当たり前が通用しない、それを気付かされる今日この頃です。