共用部LED化

分譲マンション|共用部分の照明をLEDに変える際のポイント!

2017年4月26日

 

最近の新築マンションでは、至る所にLEDが設置されている。LEDとは、発光ダイオードという半導体のことであるが、消費電力が少ない、寿命が長いという特徴を持つ。

今から10年位前にLEDの照明器具が市販され、国内においてLEDというものが認知されるようになり、既築のマンションでLEDに切り替えるマンションも年々増え続けているのが実情である。

LEDの導入を検討しているマンションも多いのだが、実際に導入にあたって知っておくべきことがある。それを今から語りたい。既に知識を持たれている方は、復習と参考という観点で読んでいただけたら幸いである。

 

LEDのメリット・デメリット

LEDのメリット、デメリットは以下のとおりだ。

メリット
▶ 寿命が長い ☞ 電球交換の手間がかからない
▶ 消費電力が少ない ☞ 電気代が安い
▶ 頻繁につけたり消したりしても寿命が縮むことがない
▶ 衝撃などに強く壊れにくい
▶ 紫外線を出さないため虫が寄り付かない
▶ 電気をつけるとすぐに明るくなる
▶ 消費電力が少ないため、二酸化炭素の排出量が少なく環境に優しい
デメリット
▶ 導入コストが高い
▶ 熱に弱いため、浴室など熱がこもる場所で使うと損傷する可能性がある
☞ 使う場所に向き、不向きがある
▶ 白熱灯や蛍光灯に比べて重量が重い
▶ 360°均一に光が届く蛍光灯に対しLEDは均一に光を放射できない
☞ 場所によって明度が異なる

 

他の電球類との寿命の比較

それぞれの寿命は以下のとおりだ。

▶ 白熱電球の寿命 ☞ 1,000~2,000時間程度
▶ 電球型蛍光灯の寿命 ☞ 13,000時間程度
▶ LEDの寿命 ☞ 40,000~60,000時間程度

1日の点灯時間を10時間として寿命を算定してみると、

▶ 白熱電球 ☞ 3ヶ月~6ヶ月
▶ 電球型蛍光灯 ☞ 約3年7ヶ月
▶ LED ☞ 約11年

あくまでもこの時間というのは目安であり、実際の数値と異なるケースもあるだろう。



LEDを導入する際のポイント

ネット上に多く出回っているLEDに関する情報は、購入をすすめる業者都合のサイトばかりだ。確かに理論上は消費電力が低いから電気料金が安くなる、それは理解できる。

LEDの導入に関して、よく業者がコスト削減のシュミレーションを行うのだが、これを過信してはいけない。実際と異なるケースもある。

私が管理会社時代にLEDに切り替えたマンションの例を挙げる。

業者のシュミレーションによれば、4年で初期投資費用を償却できる計算だったが、5年間経過後、実際に計算してみると、初期投資費用を4年で償却できるどころか7年も掛かるのだ。

これは1例ではない、他のマンションの結果も同じである。このシュミレーションの数字は当てにならない。業者の利益のために導入しているようなものだと正直そう感じた。

なぜこのような結果になったのか分析してみると、電気料金の予想データが実績データより低く計算されていたこと、これに尽きる。

ここで学んだことは、初期投資費用というのは業者の売上に直結する部分だ。この初期投資費用を抑えることで、償却期間を短くできる。それと商品自体の信頼性もある。どのLEDも同じではないということだ。

良い商品は正直高い、国内メーカーの商品は海外メーカーの商品に比べると高いのだ。これを導入すると初期投資費用が高くつくから、償却期間も長くなる。

同じ商品でも提供する業者は何社もある。工事費を含め比較検討することが大切だと思う。

管理会社が絡むとこの初期投資費用は割高になる。管理会社が元請けの場合、中間マージンがこれに加わる。管理会社から紹介されても裏ではリベートが発生するのだ。

大規模修繕の時にLEDを施工会社に本体工事と一緒に行うケースも同じだ。施工会社はLEDの工事を外注するから、間接費が発生する。だから、切り離して発注すべきだ。

この初期投資費用の割高な原因をひとつひとつ消去すれば、割安な費用を手に入れることができる。そうすることで償却期間を短くすることが可能なのだ。面倒でも多くの専門業者から見積りを取り寄せ、比較検討することが最大のポイントと言える。

 


 



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 プロフィール

くるみ

くるみ

著者:kurumi

マンションデべロッパー、デべ系管理会社、建設会社勤務を経て、2004年に管理会社設立。
2017年に業界を離れ、今はフリーランスとして活動しています。
元業界人がマンション管理についてしがらみ抜きでガチで語っているので、是非読んでみてください。

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