マンション共用部のLED化が始まったのは十年位前からになる。当初はLEDの直管のみが主流で、LED化と言っても交換できる部分が駐車場などの一部に限られていた。
その後、LEDの管球の種類が増え、エントランスのダウンライトなど交換できる範囲が広がり、今ではマンション共用部のほとんどの照明がLED化が可能となった。
マンションの住戸内では、自分の意思でLED化を行えるわけだが、マンション共用部においては、所有者の皆さんの話し合いによって決めなければならない。
予算の問題があるから、既存の照明器具を活かしてLED管球に付け替えたり、故障した際に部分的にLED照明器具へ付け替えたり、一定時期に一斉にLED照明器具に付け替えたりと管理組合毎にその考え方は異なるだろう。
器具選びにおいては、一体型に交換するのか、管球交換が可能なLED器具に交換するのか、どのメーカーを選ぶのか、光の色や消費電力の確認、費用対効果など、色々と検討課題が多いから、LED化の話し合いで悩むことが多いと思う。
今回、マンション共用部のLED化を検討する際に、注意すべきポイントについて語りたい。
生産終了には注意すべし
LED照明器具への切り替えの話が出た際に、色んな意見が出て先送りになるケースが多い。
その一方で、既存の照明器具の修理部品や管球類が順次生産終了になっている。これは器具の故障や管球切れが生じた際に、生活に支障を来すことを意味する。そこに注意を払う必要があるだろう。
メーカーがよく使う「生産完了」という言葉、これは「生産終了」を意味する。新たに生産されないわけだから、市場に出回っている在庫が尽きると修理対応や管球交換が出来なくなる。
器具によっては代替品で補えるケースも考えられるが、その代替品も生産終了になれば、前述の先送りが呑気に思えるだろう。
マンション共用部にはかなりの量の照明器具が設置されているわけで、管球切れが生じた際に交換ができなければ、「そこだけ真っ暗」になる。更に管球切れが増えれば、マンションの灯りがどんどん消えていくことになる。
管球のみならず、駐車場で多く使用されている直管の安定器については、既に生産完了になっていたりもする。その場合、安定器が故障したら修理不能となり器具自体の交換を余儀なくされる。
LED照明器具の中には既に生産終了になっていたりもする。特に共用廊下では同じものにしないと灯りのバラつきや美観を損ねたりもする。部分的に交換する際はそこに注意を払う必要があるだろう。
これからLED化への検討を行う管理組合では、生産終了に関する情報入手、代替品の確認、市販されている管球の在庫確認、器具の修理対応が可能かの確認、それを踏まえた話し合いが必要になる。
在庫が少なくなると入手困難になるから価格が高騰したりもする。これまで市販されていた管球が1,000円から7,000円になっていたりもする。
LED化には多額のお金が掛かるし、管理組合によっては合意形成に時間も掛かる。
理事会で協議して総会で決める、これだけでも最低1ヶ月は掛かるだろう。冒頭の検討課題を含めれば数か月は掛かる。
予算の組めないマンションでは夜になると真っ暗なんて、一歩間違えばそのような事態が起り得る。なので、マンション共用部のLED化においては、早めの対策が必要になるだろう。