コロナ禍で宅配需要が高まり、配送業者側にとっては再配達を減らす課題が浮き彫りになりました。また、荷物の受け取り側にとっては、非対面・非接触を望む方が増え、両者にとって有益となる置き配の需要が増えています。
郵便受け・宅配ボックスの製造メーカーである株式会社ナスタの調査(昨年11月実施)によると、置き配サービスを利用したことがあると答えた方が61.3%、年々増加傾向にあるとのこと。
オートロック付きマンションの置き配対応化が進む!
前述の再配達の要因の一つに挙げられているのがオートロック付きマンションの存在です。
置き配を指定したくてもオートロック解錠の問題がネックとなり、これまで置き配は物理的に不可能とされてきました。
理事会や総会などで置き配の話が出ると、決まって「うちのマンションはオートロック付きだから無理」でおしまい(笑)。
オートロック付きマンションに宅配ボックスが設置されていても、その数は少ない(全戸数の2割程度が通例)ので全て使用中の場合、再配達を余儀なくされます。また、宅配ボックスが設置されていないケースでは、不在時には再配達。
こうした課題を克服するため、近年、オートロック付きマンションでも置き配が可能となるシステムが開発され、置き配の対応化が進んでいます。
2021年4月にAmazonの「Key for business/キー・フォー・ビジネス」がスタートし、最近では株式会社ライナフの「スマート置き配」が話題になっています。
いずれもオートロックの解錠にあたり専用機器が設置され、機器費用を含めた設置費用、月額利用料は無料(専用機器の電気代は僅かですが掛かります。)といったサービス内容になっています。
なので、既存の分譲マンションでは、置き配の是非は別としてこの無償化は合意形成を図る上で利点と言えるでしょう。
防犯面は大丈夫?
置き配で気になるのが防犯面です。入館できるのは配達員のみで時間帯に制限があったり、入館履歴が残るとか、そこは提供企業は考えているようです。
どのサービスを利用するのか困惑
インターネットが普及したとき、複数の提供会社の中からどこにするのか、既存のマンションでは個々に求めるものが違うから決めるのが大変でしたね。マンションの中には3社も4社も導入されているところがあります。
新築マンションの場合、販売時にインターネットの提供会社が決まっているのでそれがスタンダードとなります。その点は楽ですが、提供会社を増やす場合は前述と同様に大変です。
マンションによっては、物理的に導入できないケースがあります。例えば配管内にケーブルが通せないとか空きスペースがない、全戸に提供できない構造になっていたりとか…
インターネットと同様に置き配の対応化も複数の企業が存在するので、どのサービスを利用するのか困惑します。システムの統一化(一つの専用機器を付ければ全てに対応可)が理想であり、課題と言えるでしょう。
また、現段階ではサービス対象エリア(配送エリア)が限られていたり、配送業者によっては対応化の遅れなどがあるので、今後どのようになるのか、インターネット上にある情報だけではイマイチ掴めません。
置き配の対応化に向けた企業間の連携が進んでいますが、置き配については今すぐに対応すべき緊急課題とは思えないので、全貌が明らかになってからでいいのかなって個人的にはそう感じます。
オートロック付きマンションの置き配の対応化が進んでいるという情報だけは掴んでおかないと、理事会や総会などで置き配の話題が上がったときに、前述の「うちのマンションはオートロック付きだから無理」の発言は、もう時代遅れです(笑)。
今の時代、何かとスマートを付けた言葉が増えています。
スマートフォン、スマートスピーカー、スマートウォッチ、スマート家電、スマートカー、スマートホーム、スマートマンション…
スマートという言葉は「賢い」「高性能」という意味なんですが、最近、この類の新語やアルファベットの略語がやたら多くてその度にインターネット上の辞書で調べるのが日課になっています(笑)。