昨日、朝日新聞デジタルの記事に空き家問題が取り上げられていました。
総務省の住宅・土地統計調査(2018年)によると国内の空き家は849万戸あり、住宅の総数に占める割合は13.6%、うちマンションの空き家率は2.7%と全体から見れば低く思えますが、居住者の高齢化、人口減少に伴い今後増えるものと思われます。
住宅・土地統計調査は5年毎に実施されているので、今年実施する調査結果と比較してみると推移が掴めます。
マンションにおける空き家問題
前述のマンションの空き家率をみて、マンションは低いからあまり問題視されない方がいらっしゃるかも知れません。ですが、空き家を放置していると後に色んな問題が生じます。
私の経験をもとに思いつくのを書き出します。
所有者不明はかなり厄介!
所有者が亡くなったあと、相続人が相続を放棄したり、相続人が複数いる場合で次の相続人が中々決まらず、長い期間放置されることがしばしあります。
こうしたケースでよくあるのが、管理費の支払いが滞ったり、水道の元栓が開いたままだと給水管の劣化により漏水することが考えられます。
また、給排水管は共用管と繋がっているため、全戸一斉に給排水管の更新工事を行う際に支障を来します。
特に漏水事故が生じた場合は厄介です。修繕費・水濡れ家財の損害費用を誰が支払うのかが問題になったり、勝手に室内には入れないので対応に苦慮します。
こうした空き家が増えれば、管理費・修繕積立金が不足し、日常的な維持管理が行えず、エレベーターが利用できない、貯水槽式の場合、水道水の使用にも支障が出ます。
実際に生活できないレベルに到達すると廃墟と化します。
とまあ、最悪のシナリオを私なりに描いてみましたが、廃墟となったマンションが私の身近なところにあるので架空とは思えません。
ずいぶん前に滋賀県の廃墟となったマンションに関する記事を書きましたが、現実的にマンションの廃墟化は十分起こり得ます。(この記事はこちら)
冒頭の朝日新聞デジタルの記事に戻りますが、こんなことが書かれています。
2038年には全国の空き家率が31.5%に上昇し、特に持ち家比率の高い団塊世代が75歳以上の後期高齢者になる2025年以降、急増する恐れがある。(野村総合研究所の予測)
以上、この記事を読んで、空き家問題について何か考えるきっかけになれば幸いです。
※参考にさせていただいた朝日新聞デジタルの記事はこちら
【関連動画】
▶ FNNプライムオンライン マンション老朽化…修繕できないワケ – YouTube