国土交通省の調査によると、築40年以上のマンションは全国に115.6万戸(2021年末時点、マンションストック数の約17%)、20年後には425.4万戸になると推計されています。(国土交通省/調査資料)
マンションの高経年化に伴い、外壁タイルの落下や廃屋と化したマンションのニュースを見聞きするようになりました。
記憶に新しいのが滋賀県の廃屋になったマンションを思い出します。本マンションは、空き家対策特別措置法に基づく「特定空き家」に指定され、行政代執行により解体に至ったわけですが、その解体費用は約1億1,800万円と莫大な費用が掛かっています。
特定空き家とは
国土交通省の基本指針に基づく「倒壊などの著しく保安上危険となる恐れがある状態」「著しく衛生上有害となる恐れがある状態」「著しく景観を損なっている状態」「放置することが不適切である状態」の4項目のいずれかに該当する空き家のことを指します。
マンションの高経年化に伴い、今後「特定空き家」が増えることが危惧されます。素人で結成された管理組合の認識不足、無関心さが相まってこうした廃墟が生まれます。
こうした中、マンションの老朽化を抑制し、周辺への危害等を防止するため、2020年にマンション管理適正化法が改正され、管理組合の適正運営に地方公共団体が関与できるようになり、各地方公共団体の取り組みが期待されます。
そこで、地方公共団体毎に設けられるのが表題の「マンション管理適正化推進計画」です。この推進計画については、地方公共団体のホームぺージで確認することができます。(注意:現時点で未計画の自治体があります。)
今年1月8日の読売新聞オンラインの記事に、滋賀県大津市の取り組みが掲載されていましたが、地方公共団体毎に独自のルールを設けているところもあり、東京都豊島区、名古屋市においては、マンションの管理状況の届け出を義務化し、届け出をしない場合は、マンション名を公表するといった厳しい内容になっています。(読売新聞オンラインより一部抜粋)
皆さんが住んでいる地域(地方公共団体)の計画情報については、これを機に是非知っておいてほしいです。