マンションの植栽というのは、そこに住まう人の心を和ませたり、来訪者からみれば、マンションの印象を大きく変化させます。しかしながら、意外と軽視されがちです。
街中にあるマンションの植栽を覗いてみると、枯れた植栽がそのまま放置されていたりもします。それを見ると残念に思えて止みません。そのマンションにとってみれば大きなお世話かも知れませんが…
植え替えても育たないからという理由で、そのまま放置されたり、マンションによっては花壇を撤去されたりもします。
そもそも論になりますが、マンションの建設時に無理な植栽プランを立てることに問題があるように思えます。
花壇内の狭い土壌に育ちにくい植栽を選んだり、過剰に植えたり、日当たりを考えずに机上の空論だけでプランを立てると、土壌に根付かずにすぐに植栽は枯れてしまいます。
新築マンションですぐに植栽が枯れる理由はそこにあると思います。
マンションの植栽には「枯れ保証」という無償で植え替えを行ってくれる保証サービスがありますが、このサービスの本来の意義は、前述の机上の空論を補うためのサービスだと私は考えます。
土壌に適さない品種だから違う(育ちやすい)品種に植え替える、日当たりが悪いからそれに適した品種に植え替える、この考え方が正解のように思えます。
私は長らくマンションの建設と管理の仕事に携わってきましたが、植え替えでおすすめなのが、オタフクナンテンという品種です。
一見すると地味な品種に思えますが、花壇などの小さな土壌でも根付きがよく、日が当たらない場所でも育ちやすく、あまり手間の掛からない植栽だからおすすめです。
それと、葉の色が時期によって変わるので、紅葉と同じような風情を楽しむことができます。その風貌からマンションを彩る「陰の立役者」のように思えます(笑)。
植え替えを検討される際には是非検討してみてください。