新4K・8K衛星放送

分譲マンション|新4K・8K衛星放送を受信するには!

2018年12月29日

 

2018年12月から「新4K・8K衛星放送」が開始された。今では当り前に4K対応テレビが販売されているわけだが、4Kが超高画質だと言われても中々イメージが湧かないし、それを超える8Kも販売されているから、最先端の映像技術には正直ついて行けない(笑)。

8K対応テレビの価格は、商品によっては100万円を超えているので一般庶民には中々手が出せない(笑)。

4Kとか8Kが如何に高画質なのかを知る上で、既に廃止されたアナログ放送、現行の地上デジタル放送やハイビジョン放送を画素数で比較してみると分かりやすい。

▶ アナログ・・・・・・ 約30万画素
▶ 地上デジタル・・・ 約156万画素
▶ フルHD・・・・・ 約200万画素
▶ 4K・・・・・・・ 約800万画素
▶ 8K・・・・・・約3,300万画素

※ちなみにDVDは約35万画素である。

2020年の東京オリンピック、パラリンピックを臨場感のある超高画質で視聴したい、そんな方も中にはいらっしゃるだろう。8Kは裸眼で認識できる限界の画像と言われているが、どんな映像なのか一度見てみたい。

 

4K・8Kについて

4K・8Kとは、次世代の映像規格で現行ハイビジョンを超える超高画質の映像です。4Kは現行ハイビジョンの4倍の画素数で、高精細で、臨場感のある映像が実現できます。そして、8Kは現行ハイビジョンの16倍の画素数です。立体感も加わり、さらに臨場感のある映像を体感できるようになります。

出典:総務省

 

4K・8Kの放送サービスのスケジュール

 

出典:総務省

 

今年12月から4K・8Kで放送予定になっているのは、BS放送と110度CS放送で、現行の2K放送(地上デジタル放送、BS放送、110度CS放送)は、これまで通り続けられる。なので、2K放送については、テレビの買い替えを要せず、これまで通り視聴できる。

 

出典:受信サービス株式会社


マンションで新4K・8K衛星放送を視聴するには!

初歩的な話になるが、新4K・8K衛星放送を視聴するには、それに対応したテレビとチューナーが必要になる。

私の自宅には1年前に買った4K対応テレビがあるのだが、「購入時に4Kが見れる」、そんな誤解をしていた。私以外にもきっと同様に勘違いをされた方も中にはいらっしゃるだろう。

4K対応テレビだけでは視聴することはできない。対応チューナーが内蔵されている4Kテレビ、または別途対応チューナーを購入する必要がある。ただし、これだけでは視聴することはできない。

マンションに新4K・8K衛星放送を受信するための設備が整っていなければならない。

マンションによっては、ケーブルテレビが導入されていたり、屋上にBS・110度CS用のパラボナアンテナが設置されていたり、地上デジタル放送用のアンテナのみの場合など、色んなパターンが存在する。

既にケーブルテレビが導入されているマンション、光回線が引かれているマンションでは、4K(8K)は視聴可能なので、それぞれの提供会社へ受信方法について確認する必要があるだろう。ただし、個別契約が必要でその場合有償になる。

屋上にBS・110度CS用のパラボナアンテナが設置されているマンションでは、従来の周波数のみを使用する場合、既設のパラボナアンテナで受信可能になる。ただし、状況に応じてブースター(増幅器)の出力調整が必要になるケースも考えられる。

新帯域の周波数を使用する場合、既設のパラボナアンテナでは受信できない。その場合、受信対応可能なパラボナアンテナに交換する必要があり、それに加えマンション内の混合器、分岐・分配器、増幅器、各住戸のテレビ端子まで対応できる機器に交換する必要がある。この場合の改修費用はかなり掛かる。

新4K・8K衛星放送の受信設備の改修に際して、国の助成金制度が設けられているのだが、「助成の対象が電波漏洩対策に限る」、この条件が敷かれているため、改修費用の一部しか適用されない。なので、これを差し引いても膨大な費用が掛かる。助成金は全てが対象とはならない、そこに注意を要する。

 

4K放送が視聴できるかどうかの確認方法

お住まいのマンションで、Dlife(ディーライフ)BS258chが視聴できる場合は、NHKと民放5局(上記の表/従来の周波数/BS/1500MHzの計6局)の4K放送が視聴可能と判断できる。

なので、リモコンのBSボタンを押して、DlifeBS258chが受信できているか自宅のテレビで確認してみよう。

ただし、このDlife BS258chは、2020年3月31日をもって終了予定となっている。Dlifeの視聴方法についてはこちら👇

Dlife/ホームページ

 

管理組合としての課題

今年12月に新4K・8K衛星放送が開始されたことにより、自宅マンションが受信可能なのか、居住者からこの手の質問や要望が今後増えるものと思われる。

私の住んでいるマンションでは、今年3月に開催された理事会で、この4K・8Kの話題が上がり、今後4K・8Kの対応化について協議することになったけど、未だに結論には至っていない。

屋上にBS・110度CS用のパラボナアンテナが設置されているから、一部のチェンネル視聴は可能だと聞くが、全戸視聴できるとは限らない。状況によっては出力調整が必要になるケースも考えられる。その場合、当然に費用が掛かる。

話が進まない理由は、要望者が現段階では少ない、それと公金を使うことへの是非である。

2011年のアナログ放送から地上デジタル放送の移行の時とは違い、今回の4K・8Kの対応化は、個人的な嗜好による要素が強いから、要望者が増えない限り話は進展しないだろう。

私の住んでいるマンションでは幸いにケーブルテレビが導入されている。なので、どうしても4K放送が見たいという方は、ケーブルテレビ会社と個別契約を行い視聴してもらう、この方法が採れる。

また光回線が引かれているマンションでも同様である。ただし、状況によっては工事が必要なケースや放送の種類によってはチューナーなどの周辺機器が必要になる場合があるので、事前に確認する必要があるだろう。これはケーブルテレビにも言えることだ。

今の理事長にその話をしたのだが、アナウンスが遅いから、そのうち勝手にバルコニーにパラボナアンテナを設置する住戸が増えるのでは、そんな心配をしている。

難しい事案なのは分かるが、予防線を張っていおかないと後で収拾がつかなくなる。そこに注意を要する。

4K・8Kの対応化に関する情報収集、居住者への情報提供は欠かせない。状況に応じてそれに伴う費用を把握することも必要になるだろう。マスプロ電工、日本アンテナ、DXアンテナなどの専門業者に依頼すれば見積りに応じてくれる。

エリアによっては、アンテナ受信方式からケーブルテレビ方式に変更する、この検討も必要になるだろう。

既に新築マンションの中には、アンテナからテレビ端子まで4K・8K放送の対応化がなされている。将来を見据えれば付加価値マンションと言えるだろう。途中から導入することは分譲マンションでは難しい。本当に…

一戸建てなら自己判断で出来ることが、マンションでは合意形成が必要になるから、この手の事案が発生した際、本当に面倒くさい。

理事会(理事長)に対して「新4K・8K衛星放送を受信したい」、居住者からの問い合わせがあった場合、その回答は理事会で用意すべきだと思う。理事会で話し合いがなされないと、管理会社もまた困るだろう。

 

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 プロフィール

くるみ

くるみ

著者:kurumi

マンションデべロッパー、デべ系管理会社、建設会社勤務を経て、2004年に管理会社設立。
2017年に業界を離れ、今はフリーランスとして活動しています。
元業界人がマンション管理についてしがらみ抜きでガチで語っているので、是非読んでみてください。

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