管理会社

マンション管理会社を変更する際のポイント!

2020年1月9日

 

管理会社を変更したい…

でもどうやって進めたら良いのか分からない…

 

 

分譲マンションの場合、管理会社を変更したいと思っても、そう簡単には物事は進まない、これが実情として存在します。

賃貸マンションのようにワンオーナーであれば、個人の意思で変更することは可能ですが、分譲マンションの場合、複数のオーナーがいらっしゃいますので、個人の意思だけで変更することはできません。

そこには管理組合(全区分所有者)の合意形成が必要になります。そして管理会社の変更にあたっては、いくつかの段階(ハードル)があって、それをひとつずつ乗り越えなければなりません。

このハードルが時には大きな障壁となり、話が前へと進まずに躊躇し困惑することがあります。それを乗り越えるためには、事前の準備と合意形成は必要不可欠です。

そこで今回、マンション管理会社を変更する際のポイントについて語らせていただきます。



ステップ① 管理会社の変更理由の明確化

私の管理会社時代に、リプレイス(管理会社変更)の問い合わせで一番多かったのが、管理会社に対して個人的に不満を持たれた方からの相談でした。

「嫌いだから」「信用できないから」「何もしてくれないから」、話をよく聞くと個人的な不満が多くて、それだけでは変更できないことを相談者に伝えるとそこで断念される方がほとんどでした。

変更理由というのは、多くの区分所有者から賛同が得られ、心を突き動かすものでなければ意味を成しません。

賛同が得られる変更理由って何なの?

 

その問題(課題)を解決するために、管理会社を変更しなければそれを達成することができない、これが変更理由と言えます。

例えば、建物の瑕疵問題が起きた際、分譲会社の子会社である管理会社が、管理組合の立場よりも分譲会社の立場を優先するようなケースが挙げられます。

実際にこの手のトラブルで変更に至るケースは多いです。

管理会社による横領事件、法律違反による行政処分、大規模修繕の癒着談合の不祥事などにより、信頼関係を損なうケースも挙げられます。

しかしながら、変更理由として多いのは、「管理委託料が高い」「対応が悪い(遅い)」「提案がない」の3つです。

「管理委託料が高い」、それが変更理由だとすれば、管理会社が値下げに応じれば、そこで解決に至るケースがほとんどです。

「対応が悪い」、それが今のフロント担当者だけの問題だとしたら、管理会社に相談して担当者を変えてもらえば済む話かも知れません。「提案がない」、これもフロント担当者を変えてもらうことで解決できるかも知れません。

実際に管理会社変更に至ったケースでは、管理会社自体に問題があり、改善要求を行ったにも関わらず改善が全く見込めない、それが変更理由になっています。前述の横領などの不正により、改善要求せずに解約(管理会社変更)に至るケースもあります。

管理会社に対する問題点を明確(具体的)に書き出すことが必要です。実際に管理会社を変更されている管理組合では、マンションの問題点(管理会社の問題点)を箇条書きにして、その資料を解決するために活用しています。

 

ステップ② 問題点を理事会に具申

理事役員は持ち回りで決めるのが一般的です。中には無関心な方がいらしゃいます。そんな理事会に管理会社変更の話を持ち掛けても、理事会は躊躇し困惑するだけです。消極的で物事が進まない、それが実情として多々存在します。

逆に管理会社変更を望んでいる当事者が理事長、理事役員の場合だと、理事会で話す機会が得られます。意外とスムーズに物事が進んだりもします。理事会で話をされる前の段階でその人たちはマンション管理の在り方について勉強されています。

個人が直接理事会に具申するケースもあれば、総会の議場で個人の発意によって、後日理事会で討議するケースが見受けらます。いずれにしても、理事会の討議に至らなければ物事は前には進みません。そこが最初の障壁になります。

 

ステップ③ 問題点を理事会で討議

理事会が管理会社に関する意見、マンションの問題点を集約するために区分所有者に対してアンケートを行うケースが一般的に用いられます。アンケートで得られた意見は、前述の箇条書きのベースになります。

このアンケートで色んな意見を知り得ますが、中には「管理会社変更に反対」「変えないでほしい」などの意見が出たりもします。区分所有者の皆さんの価値観はそれぞれに異なるので、そこで様々な意見が出るのは当然です。

管理会社変更に反対される方が多くいらっしゃれば、理事会によっては協議が途中で頓挫することも起こり得ます。

そこから先は理事会の判断に委ねられますが、アンケートで集約した意見は、管理会社へ伝達し、内容によっては改善要求を行うことが肝要です。そうしないとアンケートに書かれた方の意見が無意味に終わってしまいますし、そのことでトラブルに発展したりもします。

悪いところは改善してもらう、管理会社変更の前に最低でも行うべきことです。



ステップ④ 整理した問題点を総会に提出

管理会社に対して改善要求を行ったにも関わらず改善がみられない場合は、総会へ問題点を提出し、管理会社変更について話し合う、一般的にこの流れになるかと思います。

ここでの注意は、これまでの経緯を含め、話し合いは十分慎重に行うべきです。

この話し合いにより、管理会社変更に同意が得られれば、管理仕様書、新管理会社の選定について、理事会に一任する決議を諮るのが一般的なやり方です。

どのような管理を望むのかなど、そこを明確にしておけば総会時にスムーズに事が運びます。そして管理仕様書を作成する際に役立ちます。

 

ステップ⑤ 新管理会社は1社に絞り込む

管理仕様書に基づいて、管理会社に見積もり依頼を行います。管理会社の選定については、マンションの近くに営業拠点のある管理会社を選ぶ、これがポイントになります。なぜなら、営業拠点が遠ければ、迅速な対応など期待できません。

見積もりはできるだけ多くの管理会社から取り寄せ、さらに候補となる管理会社を3~4社程度に絞り込みます。そして管理会社のプレゼンを行い、新管理会社の1社を選定します。これが一般的なやり方です。

 

ステップ⑥ 管理会社変更するための総会開催

総会議案書を区分所有者に配付し、総会にて新管理会社の決定、管理委託契約の締結に関する議案の承認を諮ります。

総会で新管理会社が正式に決まれば、今の管理会社に解約通知を行い、新管理会社が契約開始する直前に、理事会立会のもと管理の引き継ぎを行います。

新管理会社が決まれば、管理の引継ぎまでのサポートは新管理会社が行うのが通例です。

 

<追記>

管理会社変更の際に、現在の管理会社を候補者に入れるケースが多々見受けられますが、この場合、元サヤに戻るケースが意外と多く、骨折り損のくたびれ儲けに終わることがあります。

現在の管理会社を支持する所有者は少なからずいらっしゃいますから、その人たちが水面下で他の所有者に変更阻止を働きかけたりもします。一方で管理会社は、事前に変更させないようにあの手この手を使います。

元サヤに戻っても、その後の管理会社の体質は変わらず、管理会社変更の話が絶えない、そんなマンションも存在しますし、当時の変更支持者に対して敵対心を抱く管理会社が居たりもします。

同情で候補者に入れる気持ちは理解できますが、個人的には後の事を考えると入れない方が得策のように思えます。管理会社の体質というのは簡単には変わりませんよ。

それと管理会社変更にあたっては、最初からコンサルタント会社を入れるケースが近年では増えています。自力で変更するのは難しいから、専門知識を持たれたマンション管理士などに依頼されるケースが多いようです。

第三者の助言を得ながら進める方法は、相応の費用は掛かりますが、当期の理事会の負担を考えれば、管理組合として考えるべきことなのかも知れません。そこで色んなことを学べたりもしますしね。

 

<関連記事>

管理会社変更|その後の良し悪しは?

 








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